人生のフロアガイド

 

私は先月、ショッピングセンターにクルマでひとり買い物に行きました。

そこの駐車場は平面駐車場がいっぱいだったので、私は立体駐車場に止めました。

 

4~6階までと屋上駐車場があり、多くのクルマが駐車できる広い駐車場でした。

私は5階の駐車場で、お店の入り口から少し離れたところにクルマを止めました。

 

私は広い店内をぐるぐる回りながら、2時間くらい買い物や食事を楽しんで、

さて帰ろうと思い、駐車場に戻ると私のクルマがありませんでした。

 

広い駐車場をくまなく探しましたが見つかりませんでした。

 

私は止めた階を間違えたのかと思って、4階、6階も探しましたが見つかり

ませんでした。

 

暗くて広い駐車場を30分以上歩き回っても見つかりませんでした。

自分が止めた場所などお店の人に聞いてもわかりません。

 

クルマのキーは持っているので盗難されるはずもありません。

私は疲れ果てて、お店に戻り、カフェに入ってどうしようかと途方に暮れました。

 

コーヒーを飲みながらお店に置いてあったフロアガイドを見てみました。

するとこのショッピングセンターは建物がふたつに分かれていて、

 

3階の連絡通路で繋がっていました。

 

方向音痴の私は気がつきました、駐車場から3階に降りて連絡通路を通って

別の建物に移っていたのを忘れていたのです。

 

見つかるはずはありません、私は隣の建物の駐車場を探し回っていたのです。

 

話しは変わります。

 

私の部署に、今年入社したばかりの、新入社員がいます。

入社して3か月が過ぎましたが、会社に馴染めなくて元気がありません。

 

私が新入社員だった頃のことを思い出すと、社会に出たばかりで何もわからず、

先輩にいろいろ教えられて、汗をかいてがむしゃらに仕事をしていたと思います。

 

私はどうして元気がないのかと聞いてみました。

 

すると彼は、なかなか仕事が覚えられない、職場の人間関係がむずかしい、

仕事の責任感で重圧を感じる、学生時代と違って自由な時間が少ないなど、

 

学生時代に思っていたこととはずいぶん違う、社会人生活のギャップに

戸惑っているようでした。

 

彼はこのままこの会社で働き続けることが正解なのだろうかと悩んでいて、

先の見えない将来に対して不安を持っているようでした。

 

そして彼の最大の悩みは、自分の人生はこれから一体どこに向かって歩いて

行けばいいのか迷っていることでした。

 

私は人生に迷っている彼に人生の先輩として何とかしてあげたいと思いました。

 

まず彼の今までの生き方を整理して、自分の立ち位置をしっかり把握してみては

どうかと考えました。

 

そして彼の周りをじっくり見渡すことで、きっと彼にふさわしい場所が

見つかるのではないかと思いました。

 

そこは今の会社でも別の会社でも構いません、もしかしたら、そこには彼を

必要とする世界が待っているかもしれません。

 

そのふさわしい場所とは、みんなが彼のことをこころから愛してくれる

しあわせな世界です。

 

もちろん彼がすべての人を愛さなければその場所は見つかりません。

 

彼のいる場所と目的地がわかれば、きっと、しあわせな世界に到着するまでの一番

近い道を見つけることができるでしょう。

 

もし途中で道に迷ったら人に聞くといいでしょう、彼に大きな愛があれば、人は皆、

彼をしあわせな世界に導いてくれることでしょう。

 

人生のフロアガイドを見ることと大きな愛を持つことで、彼は迷わずしあわせへの

道を見つけることができると思いました。

 

私はショッピングセンターで迷ったことを思い出して、このように思いました。

 

人生に迷ったときはいつでも、自分のいる場所と目的地を知ることが大切です。

私は彼にこのようにアドバイスしましたが、私の気持ちが伝わったでしょうか。

 

先の見えない真っ暗なトンネルに明かりが見えればそれだけで人は救われます。

私は愛を持って彼を長いトンネルから出口へと導いたつもりです。