自信のない人がスーパーに勤めたら

 

私の姪で、今年学校を卒業してスーパーに入社した子がいます。

彼女が4月に入社してほぼ1か月が過ぎました。

 

彼女は食品売り場で、牛乳とかヨーグルトとかパンなどを販売する部門に

配属されたようです。

 

私は彼女を幼いころから見ているので彼女の性格はよく知っています。

彼女はとても心配症で、何事にも自信を持って行動できないタイプでした。

 

そんな彼女ですが、先日、彼女の仕事が休みの日に、私の家に遊びに来ました。

家が近くなので、彼女が子供の頃から家族ぐるみの付き合いがありました。

 

私は彼女に、仕事に慣れて頑張っているかと聞きました。

 

すると彼女は、なかなか仕事が覚えられなくて、いつも上司に叱られていると

言いました。

 

その上司は、これくらいのことができなくてどうする、仕事を覚える気が

あるのかと彼女を厳しく指導しました。

 

彼女は仕事に対してすっかり自信を無くし、自分はここの仕事には向いて

いないと思い、1年先輩の社員に仕事を辞めたいと相談しました。

 

するとその先輩社員は、あの上司はあなただけではなく、みんなに厳しくて

私にも入社した頃はとても厳しかったと言いました。

 

それを聞いて彼女は、自分だけではなくみんなも同じ思いをしたのだと知ると、

とても気が楽になったようでした。

 

彼女の自信のなさが自分を苦しめていたようです。

それから彼女は少し自信を取り戻したそうです。

 

他にも彼女の自信を無くすことがあったようです。

 

ある時彼女が牛乳を補充していた時、お年寄りのお客が、近くの鮮魚コーナーから

コハダの酢漬けのパックを持ってきて、彼女にこれはおいしいのかと聞いてきました。

 

彼女は今までコハダが苦手でほとんど食べたことがありませんでした。

彼女は鮮魚の作業場にそれを持って行って、これは美味しいのですかと聞きました。

 

すると鮮魚のベテラン社員が、ここの売場には美味しくないものは置いていないと

怒って彼女を睨みつけ、とても機嫌を悪くしたようです。

 

彼女は叱られたような気がしてとてもショックでした。

 

スーパーには多くの商品が並んでいて、彼女がすべてを食べて、その味を知っている

わけではありません。

 

特に、新製品や新規取り扱いの商品は、よく美味しいのか尋ねられたそうです。

 

そんな時彼女は、お客から美味しいのかと聞かれても、食べたことがないのでよく

わかりませんと正直に答えました。

 

でもその時のお客の反応を見ると、彼女は何か冷たい接客だなと思ったようです。

 

それで彼女は、食べたことはないのですが、きっとおいしいですよと答えましたが

それでは説得力がまったくありませんでした。

 

どのように接客したらいいのかと先輩社員に聞いても、人それぞれの好みがあるから

よくわからないと言いました。

 

それで私に、どのように接客したらいいのかと聞いてきました。

 

私も商品の知識はないし、味についてはよくわかりませんが、

私は彼女に、自分の勤めているお店の商品に自信を持ちなさいと言いました。

 

よほど美味しくない商品ならクレームもあるだろうし、今の時代、そもそも

まずくて食べれないような商品はお店に置かないだろうと思いました。

 

私は彼女に、迷わず「美味しいですよ」と言い切って接客しなさいと言いました。

 

お客に笑顔で堂々と美味しいですよと言うことで、お客は安心して買うでしょう。

 

彼女は私に、もし、後日、あなたが美味しいと言ったから買ったあの商品、ちっとも

美味しくなかったと言われたらどうするのかと聞きました。

 

私はいちいちお客の嗜好に合わせて美味しいかそうでないか答えることや、

ひとつひとつの商品の味を言葉で伝えるのは無理だと思います。

 

私は言いました、その商品を作った人たちに感謝し、こころの中で味見をしなさい。

苦労して作った人の気持ちが伝われば、どんな商品でも美味しく感じるはずです。

 

そして自信を持って、私にはとても美味しく感じましたとお客に言いなさい、

人によって美味しさの感じ方は違うのだから。

 

先ほどの鮮魚のベテラン社員は商売とは何かということををよく心得ていますね、

自分の扱っている商品には美味しいと言う絶対的な自信を持っていたのです。

 

こうして自信を持つことで、彼女もだんだん一人前になっていくのではないかと

思いました。

 

読者の皆さまの中で、もしスーパーにお勤めの方がいらっしゃったらこれは

参考にしないで下さいね、これは私の素人的な考えです