悪口を言う私

 

私の会社には、陰で悪口を言うのが大好きな女性がいます。

 

私がお昼の休憩時間に食堂でお昼ごはんを食べていると、

近くの席でひそひそ小さな声でしゃべっている人がいました。

 

私はその会話を聞きたいとは思っていませんでしたが、その声がだんだん

大きくなり、私にも聞こえました。

 

彼女は同僚に「ねえねえ知っている?課長のAさんが部下のBさんと不倫の関係

らしいよ、あの真面目そうなBさんが、仕事もしないで部下にばかり仕事を押し付け

ているA課長のどこがいいと思ったのかしら・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

また別に日にもたまたま私は彼女の近くで食事をしました。

いつものように同僚にひそひそ声で話していました。

 

「ちょっと聞いてよ、事務の女性が言っていたけど、営業のCさんにいつも消費者

金融の人らしき人から電話がかっかてくるんだって、金銭的にはルーズのようよ。

どうも最近、派手にお金を使っていると思ってたのよ・・・・・・・・・・・・」

 

この女性の人を引き付ける能力は素晴らしく、ついつい、私も話しの中に引き

込まれてしまいます。

 

周りの人たちも聞き耳をたてて、聞かないふりをしながら聞いています。

彼女が人の悪口を伝えるのは天才的です。

 

仕事の時には見られないような、実に、生き生きとした情熱的な話し方です。

 

彼女の同僚も身を乗り出して彼女に同調しています。

そして話はますます盛り上がってきます。

 

私の知る限りでは、彼女に限らず、どこでもこんなことはあるように思います。

人を褒めるよりも悪口を言う方に興味を示すことが多いような気がします。

 

彼女は不平不満もよく言います、こんな安い給料で会社は人をこき使うとか

こんなに忙しいのに作業場の整理整頓をさせられるとか。

 

またすべてを人のせいにします、お客からのクレームが多いのは会社の教育が

悪いからだとか、業績が悪いのは上司の指示が的確でないからだと言います。

 

では彼女はさぞかし立派な人間かと言うと、私にはそうは思えません。

それが証拠に、彼女がいないとき、私は彼女についての悪口を山ほど聞きます。

 

彼女は自分が悪く言われているのに気付かないのでしょうか。

 

また別の日、彼女はいつものように食事中の同僚に言っていました。

 

「私は運の悪い人間なのよ、私は人一倍努力して頑張っているのに、私の前には

今まで、幸福になれるチャンスが巡ってこなかった」と言っていました。

 

私の考えでは、多くの人を愛せば愛すほど、大きな幸福のチャンスとなって

いつかは目の前に巡ってくると思います。

 

だから悪口を言い続ける彼女には、幸福のチャンスは巡ってこないのでしょう。

 

私はなるべく彼女には近づかないようにしています。

陰で私の悪口を言われるのがいやだからです。

 

なんだかいつの間にか、私も彼女の悪口を言っているような気になりました。

 

話しは変わりますが、私が本社の会議に出席した時は、目立たない場所に座り、

あまり発言しないでおとなしくしています。

 

会議が終わると、よく他の支店の気の合った人達と、帰りに居酒屋で一杯やります。

私は焼き鳥とお刺身ともつ煮込みが好きでよく食べます。

 

みんなで乾杯して飲むビールは最高ですね。

会議の緊張感から解放されて飲むお酒は本当においしいのです。

 

そのうちお酒が入り、話がだんだん盛り上がってきます。

 

会議では言えなかった建設的な意見が、まるで自分が経営者になったように

次から次へと出てきます。

 

なぜ会議でこんなにいい意見を発言しなかったのか不思議です。

 

そしていつも私たちを叱る上司の悪口になります。

 

そこが話のピークとなります、もうお酒の肴はいりません。

上司の悪口を肴に飲むお酒はどんな美酒よりもおいしいのです。

 

私は調子に乗って、焼き鳥の串で、上司のハートを突き刺す振りをすると

みんなで拍手喝采でした。

 

話しが思わぬ展開になってきましたね、私はブログを書いているうちにタイトルの

本筋から大きく離れてしまうことがよくあります。

 

今回は最初に決めたタイトル「悪口を言う彼女」から「悪口を言う私」に変更します。

今回は情けないブログになってしまいました。

 

これだけたくさん悪口を言えば、私に幸福のチャンスが巡ってこないのは当然ですね。