人生の公式

 

私は、最近仕事がとても忙しく、睡眠不足です。

やっと今日、ブログを書く時間が取れました。

 

私の甥で、高校でトップを争うくらい成績がよく、頭のいい子がいました。

彼は文系を選んで大学に進学しました。

 

彼は夏休みに私のところに遊びに来て、大学での勉強の様子を話してくれました。

彼が興味を持った授業は、哲学と心理学でした。

 

彼は前から人のこころの構造を詳しく知りたいと思っていました。

授業を熱心に聞いて、将来の自分の生き方を見つけたかったようです。

 

私は哲学と心理学はどう違うのかと彼に聞いてみました。

 

彼は私に説明してくれました。

 

心理学とは人のこころや行動のメカニズムを研究することで、哲学は認識や存在、

世界、言語など、根源的なことを追求することだと言いました。

 

彼はどちらかと言うと、哲学のほうに強く興味を持ったようでした。

私は彼に、実際、哲学でどんなことを学んでいるのか聞いてみました。

 

すると彼は、人生とはどうあるべきかと私に聞いてきました。 

頭の悪い私は、突然そんな事を聞かれてもすぐには答えられませんでした。

 

彼は、人類の歴史は長い、それを学者が研究し尽くして哲学として

考え出したのだから、生き方の公式はあるはずだと言いました。

 

私は、数学であれば、公式に従って計算すればひとつの答えが出るが、

哲学の問題には公式がなく、そんな大きな問題を解くのはムリだと言いました。

 

彼はもっと深く勉強して、よりよい人生を送るための公式を見つけ出したいと

思っているようでした。

 

彼は私に、分厚い哲学の教科書を見せてくれました。

 

私は彼に、その教科書は全部読んだのかと聞くと、最後まで読んでいないと

言いました。

 

全部を読まなくても、哲学者のゲーテの名言を学べば、人生とはどうすべきかが

わかったと言いました。

 

そうして彼は、哲学だけは誰にも負けない成績を取ることができました。

 

その後、彼は学生時代に学んだ哲学で、充実した人生を送ることができると思い、

自信満々で社会に飛び込みました。

 

彼の周りの先輩たちの仕事ぶりを見ると、とても辛そうで、将来が暗くなると

思いました。

 

人間関係や仕事の厳しさで、こころの病気になったり、身体を壊している人を

見ると、自分だけはもっとしあわせな人生を送りたいと思いました。

 

彼はゲーテの言葉の中で一番好きなのは「自分自身を信じてみるだけでいい。

きっと生きる道が見えてくる。」でした。

 

ところが彼は社会人となって、世の中は甘いものではなく、哲学で学んだ人生の

公式が通用しないことがすぐにわかりました。

 

彼は教科書で学んだことを実践しようとしましたが、それは彼のこころの傷と

なって苦しみました。

 

彼はゲーテの言葉を思い出しました、「涙とともにパンを食べたことのある者で

なければ、人生の本当の味はわからない」。

 

彼のこころの傷はだんだん深くなり、耐えられなくなり、私のところに相談に

来ました。

 

彼は私に、自分が生きていく道に迷ってしまった、どこに向かって行けばいいのか

教えて欲しいと言いました。

 

では君は一体どんな人生を送りたいと思っているのかと聞きました。

彼はそれがわからないから困っていると言いました。

 

社会人経験の浅い彼は、頭の中で漠然と将来の不安を抱えているようでした。

 

私は彼に言いました。

私は君のように教科書で勉強したことはないが、実際、体験したことから

 

私が社会に出て感じたことは、人はすべてのことはできない、だからそれぞれ

分担して仕事をしている。

 

みんなが協力して仕事をしているけれど、利害関係から人間関係がもつれる

ことがあり、それが生きていくことの辛さに繋がっている。

 

自分さえよければいいと言う考えはお互いを不幸に導いてしまう。

 

私は人生の先輩としてひと言だけ言わせてもらう。

 

君のできることを人を愛して全力で尽くしなさい、そうすれば、それ以外の

君の出来ないことは人が助けてくれる。

 

これが私が考える人生の公式だと言いました。

 

それを聞いて彼は、哲学の教科書を取り出し、再度読み返しました。

 

すると最後のページに、人は、人を愛することで最高のしあわせを得ることが

できると書いてありました。

 

彼は一番大切なことを見逃していたのでした。

 

おっといけない、私はブログを書く前にうたた寝をしていたようです。

夢を見ていました、疲れがたまったようです。

 

疲れを取るために、しばらくブログをお休みしたいと思います。

夏休みを取りますのでよろしくお願いします。