男って寂しいのよ

 

私が仕事から帰って、お風呂に入った後、夕飯の前に窓から空を眺めると

きれいな星が見えました。

 

私は妻にこんなに希望の星が輝いているよと言いました。

妻はそんな希望の星より明日の天気はどうかしらと言いました。

 

私はきっと明日はこころのモヤモヤがスカッと晴れるようないいお天気に

なるだろうと言いました。

 

すると妻は、洗濯物が乾かないから晴れてくれないと困ると言いました。

 

私はあの輝く一番星のようにすてきな人生を送りたいと言いました。

すると妻はそんな事はどうでもいいから早く食べて、ご飯が冷めると言いました。

 

私は妻に、君には夢はないのかと尋ねると、夢は夜寝れば見れると言いました。

私がロマンを語っているのに妻は現実で応えました。

 

私は寂しく思いました、男心は妻にはわからないのかと。

 

話しは変わります。

私は仕事場では、シャキッとしてそれなりに仕事をこなしています。

 

目標を達成するために、部下の感情をくみ取り共感力を高め、仕事を盛り上げます。

そして思うように働いてくれない部下がいればどんな気持ちなのか聞いてあげます。

 

とにかく自分の部署がうまくまわるように懸命に努力しているつもりです。

そしてくたくたになって家に帰ります。

 

休日は一週間の疲れをとるために家でだらだらゴロゴロとして過ごします。

 

それを見て妻は、あなたはまるで炭酸の抜けたコーラのようにだらしがないと

言います。

 

近所の○○さんのご主人をこの前たまたま見かけたけど、張り切ってお仕事して

いらっしゃって、生き生きとして目が輝いていたと言います。

 

どうしてこんなに違うのかと言います。

 

妻は○○さんのご主人の一番いい時と私の疲れ果てて最悪の状態の時を比較して

私を粗大ごみのように扱います。

 

きっと○○さんのご主人も休日には私と同じく粗大ごみ扱いだと思います。

男は寂しいですね。

 

私の会社の同僚と話をしていても、彼はうちの妻はだんだん強くなってきて

最近では妻に逆らうと2倍になって返ってくるのでいやだと言います。

 

休みの日は彼が家にいるだけでイライラするから外に出かけてくれと

言われるそうです。

 

仕方なく彼はパチンコ屋に行きますが大負けをしてますます落ち込むそうです。

 

結婚した当初は誕生日には彼にプレゼントを贈ってくれていたそうですが、

今ではプレゼントを贈るだけの価値のない人間のようにうんざりされていると

言います。

 

男は寂しいねとふたりは共感しました。

 

また話は変わります。

 

以前、病気で奥さんに先立たれ、落ち込んでいた知人と話をしたことがありました。

 

彼は奥さんの尻に敷かれて、奥さんには頭が上がらなかったようです。

 

しかし彼は、家のことを何でもかんでも奥さんに任せていたので奥さんが

亡くなった時は大変だったと言いました。

 

ふたりで歩んできた幸せな人生に、その時初めて気づき、こころの支えが

なくなった彼はとても意気消沈したそうです。

 

そのとき彼は奥さんのありがたさを強く感じたそうです。

 

ひとりになった彼は、奥さんのやさしかったことを忘れることができず、

いつまでも寂しさを感じていたそうです。

 

彼は街中を歩く仲の良さそうな夫婦を見ると悲しみがこみ上げ、

 

家に帰ると奥さんのことを思い出して、涙を流し、どうして俺を残してひとりで

逝ってしまったのかと言って号泣したそうです。

 

男として情けないがこの悲しみはどうすることもできなかったそうです。

 

でもその彼は今はこの世にいません、悲しさに耐えきれず、奥さんを追って

天国へ旅立ちました。

 

私はとてもかわいそうで仕方がありませんでした。

 

でもきっと、彼はあの世で奥さんと仲良く暮らしていることでしょう。

 

それに比べると女性はか弱そうですが、実はたくましくなるんですね。

夫に先立たれた女性は人にもよるでしょうが、強い人が多いような気がします。

 

男は強いように見えても意外と弱いような気がします。

本当は大胆に見えても女性よりも繊細なような気がします。

 

男って寂しい生き物なのですね。