不安で心配症な私

私は未知への不安を人一倍感じる人間です。

未知といっても誰も知らない世界のことではありません。

 

ただ私が経験したことがない未知の出来事です。

 

仕事で初めての場所に集合する場合、不安で、近くなら下見に行きますし、

遠くの場合は1時間前には到着して場所を確認します。

 

私は方向音痴なので時間通りに行けるかどうか不安なのです。

 

今まで何度も、事前に地図で場所を確認していても、平面の地図と立体の場所は

うまく転換できなくて、なかなか目的の場所が見つからなくて焦ってしまいました。

 

話は変わりますが、高校に入学した時の事です、最初の日、新しいクラスには

誰一人、私の知った人はいませんでした。

 

授業中は静かに先生のお話を聞いていればいいのですが、休憩時間のあの沈黙が

たまらなく嫌でした。

 

本当なら 休憩時間はリラックスして気分転換の時間でしょうが、みんな知らない同士。

周りの人を見るとみんな秀才に見えるし、冷たそうな人ばかり。

 

私が 誰かに話かければ、馬鹿にされるか無視されそうです。

 

しかしながら2、3日が過ぎると 他の子は少しずつ会話をするようになりました。

 

私は本来は 人見知りなのですが、逃げることができない束縛されたクラスでは

孤立するのが不安で仕方がありません。

 

私は自分の席の前後左右を見て、一番お人好しそうな子に声をかけてみました。

相手も警戒心があり、私の期待したような反応はありませんでした。

 

 私は周りのみんながだんだん仲良くなっているのを見てだんだん焦ってきました。

 

ところが救いはありました。

 

 私の席から少し離れたところでふたりの子がプロ野球の話をしていました。

お互いジャイアンツファンで話が盛り上がっていました。

 

私も野球が大好きでそっとその中に入っていきました。

共通の話題があると共感が生まれぐっとお互いの間が近くなりました。

 

こうやってクラスメイトとの仲がだんだん広がり親密になってきました。

 

私は未知のことには不安で心配症なのですが、それゆえに、環境に順応するために

本能的に動くのかもしれませんね。

 

このとき私は、人が繋がるにはこころが繋がらなければならないということが

わかり、その後の人生の大きな財産となりました。

 

今度は健康面のことです。

 

私が仕事をしているとき、急にお腹が痛くなりました。

 

今まで、仕事中は緊張しているせいか、仕事中お腹が痛くなることはほとんど

ありませんでした。

 

最初のうちは我慢しながら仕事をしているとそのうち自然に 傷みが 消えました。

そのうちだんだん痛くなる頻度が増してきました。

 

夕方になると激痛で仕事ができなくなりました。

その日は早退して、明日病院に行って診察してもらうことにしました。

 

私は家に帰り、ネットで胃の病気について調べました。

 

胃がん胃潰瘍、胃炎、胃けいれん、胃拡張、感染性胃腸炎などが出ていました。

私の症状と照らし合わせると、胃がんの可能性が高いと思いました。

 

そして胃がんの生存率を調べました。

ステージ4では5年生存率は17%となっています。

 

私はこの痛みの激しさはきっとステージ4だと思いました。

次の日病院に行って診察を受けたところ、次回、胃カメラを飲むことになりました。

 

胃カメラを飲むということは相当ひどくなっているのだと思いました。

 

数日後の胃カメラによる診察までに私は身辺整理をしました。

妻には今まで長い間お世話になったお礼をしました。

 

生命保険の証書を妻に渡し、これで何とか生計を立ててくれと言いました。

 

そして運命の日、私は朝早く目が覚めました。

 

病院で胃カメラを飲むまでの待ち時間はとても長く感じました。

 

胃カメラを飲むのはとても辛いと聞いていましたが、それよりも診断結果の

怖さの方が勝っていました。

 

その病院では胃カメラは喉からではなく鼻から通すので意外に楽でした。

胃カメラの診察が終わり待合室で結果を待ちました。

 

覚悟ができていたのか意外と落ち着いていました。

 

そして名前が呼ばれ病室に入り先生から診断結果を言われました。

「軽い胃潰瘍です、1週間ほどこの薬を飲めば治ります。」と言われました。

 

いままでの心配は何だったんでしょう、私は大喜びで家に帰りました。

しかし、妻には大変心配をかけて申し訳ないと思いました。

 

不安で心配症の私は死ぬまでこの病気は治りませんね。