人前で話すこと

 

私は人前で話すことはとても苦手です。

 

相手がひとりなら、相手に気を遣いながらも遠慮して話します。

 

相手がふたりになると、両者を同時に気遣うことは少し難しく、どちらかと言うと

ふたりに共通した事務的な話が多くなるような気がします。

 

5人以上となると私の気持ちを入れず、必要なことだけ伝えるようになります。

10人以上となると、事前に話す内容をよく整理して、誤解されないように気を

つけます。

 

大勢の前で話すことは嫌いなので、できるだけ、そうならないように逃げてきました。

 

何かの発表会で、大勢の前で話す時、私は緊張して、ゆっくり大きく息を

吸うのを忘れてしまいます。

 

本当は、話と話の区切りで深呼吸をするような余裕があればいいのですが、

先へ先へと言葉を続けるので、息苦しくなり、早口になってしまいます。

 

そうするとその早口に頭がついていけなくなり、焦ってしまいます。

私の話はしどろもどろになり、言いたいことの半分も伝えられません。

 

講演などで、話し上手な方のお話を聞いていると、声の強弱や間の取り方がうまく、

聞き手を引きつけるような巧みな話術を持っていますね。

 

話が最高潮に達した後の数秒の沈黙はまさしく芸術ですね、

話の余韻を感じさせます。

 

聞き手は感動し、思わず拍手をします、そしてだんだん拍手が広がり大きくなります。

その拍手を聞きながら、話し手はまるで自分の話に酔っているように見えます。

 

そして、それが終わる絶妙のタイミングで話を続けます。

 

私はとても羨ましく思います。

 

話は変わりますが、私の会社には女性のパート従業員で私と気が合い、よく

おしゃべりする人がいます。

 

3歳年上なのでお姉さんのような気持ちで話しますが、とても話し上手です。

そして、彼女は信念のかたまりのような人で、自分の意見は曲げません。

 

なので、他の女性従業員とはよく言い争いになります。

 

私は、お互いが言い争っているのを聞くのですが、どちらも間違っている

わけではありません。

 

彼女はお客のこころを大切に考え、他方はマニュアルを重視します。

彼女は話し上手なのでいつも相手を言い負かせます。

 

そんな彼女ですが、社内の弁論大会に出ることになりました。

テーマは忘れましたが、「私の仕事のやり方」のようなものでした。

 

本社に幹部社員が100人くらい集まり、そこで選ばれた数人が発表するのです。

100人のお偉方の目の前で発表なんて私には絶対無理ですね。

 

私はお手伝いで彼女について行き、その発表を聞きました。

 

彼女はまったく緊張した様子も見られず、いつものように堂々と自分の意見を

発表しました。

 

どうすればお客に喜んでもらえるのかを常に考えて仕事をしていると

いうような内容でした。

 

発表が終わると会場は割れんばかりの拍手と喝采で私はとても感動しました。

結局、彼女は優勝し、表彰状と景品をもらいました。

 

話し上手な彼女と話し下手な私がなぜ気が合うのだろうかと考えました。

 

私は話が下手なので、相手の話をよく聞いて十分理解するようにしています。

よく、みんなは私のことを聞き上手だねと言います。

 

今気が付きました、話し上手と聞き上手、最高の組み合わせだと思いませんか。

だから気が合うんですね。

 

私は話し下手なので、ブログの中ではその分、思いきって書いています。

よく、オーバーヒート気味となり、後で読み返すと恥ずかしくなります。

 

私のブログはきっと、私のこころを読み取ってくれる、読み上手の読者の方に

支えられているのでしょうね。

 

感謝しても感謝しても感謝しきれません。

 

もしよろしければ、これからもよろしくお願いします。