こころで家が建ちました

 

私の知り合いに生命保険の外交員がいます。

彼女は母子家庭で苦労をしたようです。

 

彼女が小学校の頃、父親が病気で亡くなり母親が苦労して彼女を育てました。

 

彼女は学校の成績は良かったのですが、母親の苦労を考えると進学を諦め、

高校を卒業してすぐに自動車部品の製造工場に勤めました。

 

そこで5年ほど働きましたが、重い病気にかかり、仕事ができなくなり

そこの工場の仕事を辞めました。

 

1年ほど通院しましたが体調がよくなりまた仕事を始めることにしました。

彼女は工場などの身体を使う仕事は無理なので身体に優しい仕事を探しました。

 

たまたま見つけたのが生命保険の外交員。

彼女は応募したところ採用されることになりました。

 

最初は保険についての知識を習得するために研修を受けました。

 

その後、保険の獲得となるわけですが、最初のうちは、親戚・知人などから

契約をしてもらいましたがそれが無くなるとほとんど契約が取れませんでした。

 

だんだん上司の言葉がきつくなります。近くの会社の昼休みに食堂にはいらせて

もらって、食事中の従業員に声をかけてもいやな顔をされます。

 

先輩に相談すると、若い男性に電話してカフェで会ってみるのも一手だと言うので

やって見ましたが、ひどくこころが傷つきました。

 

仕事を始めて3か月がたちました、彼女はまったく自分にはこの仕事が合って

いないと感じて、辞めようかどうしようかと迷い、私のところに相談にきました。

 

今まで苦労をかけてきた母親に迷惑をかけるのも忍びないといいます。

 

しかし、私は相談されても保険のことはまったくわかりません。

 

彼女が言うには、いい保険があって勧めようとしても、話も聞いてもらえなくて

いつも門前払いだといいます。

 

私も同感です、「こんにちは○○保険です、とてもいい保険があります、少しお時間

をもらえませんか」と言われれば、聞いたら契約を迫られるので私も門前払いします。

 

私は彼女に言いました、みんなが嫌がるのなら保険の話は持ち出すなと。

世間話でも趣味の話でも何でもいいので相手とこころが繋がる話をしなさい。

 

どうせ取れない契約なら、お互いが楽しくまた次も会いたいなと思えるような

人間関係を作ったほうが次の仕事にも生かせるかもしれないと言いました。

 

彼女は何か感じるところがあったようです。

教えてもらったようにこころの繋がる営業をやって見ると言うのです。

 

それから彼女は保険の話は全くしないで楽しくお客と話すようになりました。

笑顔が素晴らしく優しい彼女は話し相手にはとても喜ばれます。

 

生活相談を聞くような感じで、お客に困りごとなどがあれば、できることは

何でもやりました。

 

 その後しばらくは成績が悪く上司にきつく言われましたが、こころの繋がった

お客が増えることで仕事が楽しく、まったく気にならなくなりました。

 

最初の頃、お客はみんな、彼女が保険の外交員だと知らなかったのですが、

しばらくしてから、さりげなく彼女が保険を扱っていることを話しました。

 

でもまったく保険を勧めることはありません。

気になることがあれば説明しますという程度です。

 

すると時には、お客の親戚の子が、社会人になったばかりで保険に入っていない

ので紹介してあげようと言ってくれました。

 

そうしているうちに、だんだんこころの輪が広がってきました。

お客の方から保険の話を聞きたいと言うことも少しずつ増えてきました。

 

 彼女は決して売りっぱなしにしないでこころを込めてアフターフォローします。

 

こころの繋がったお客からは安定的に契約が取れるようになりました。

彼女は、入社1年後にはその営業所の中で成績がトップになりました。

 

長年勤め、収入もそこそこ増えてきたので、苦労して育ててくれた母親に家を

建ててあげたと言っていました。

 

素晴らしいですね、 こころが繫がると家も建つんですね。

 

 

 

 ブログも同じこころの繫がる世界、感動と共感で結ばれた愛の世界、

何も隠さない裸のこころで、あなたと私はお互いに理解が深まります。

 

ブログっていいですね。